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 第21回掲載 ディスクインプレッション(wildさんより)
太陽が見てるから/橘いずみ ソニーレコード '94.1.12 SRCL-2811

 何気にTVを付けてたら音楽番組でデビューしたてのアーティストを取り上げてたらしく、可愛い顔した女性がアコギ一本で真っ直ぐに立っておもむろに歌いだした。”自分の言いたい事を私は何も言わない/自分のやりたい事を私は何も出来ない/主義主張を叫んで外を歩く勇気なんかない” 可愛い顔とは裏腹に歌詞はものすごい毒づいてた。人間の、あるいは若い女性の汚い部分を徹底的に吐き出してた。橘いずみの「失格」、衝撃的な歌である。さて、そんな攻撃的なイメージがつきまとって出した次作「太陽が見てるから」は攻撃的な部分も見せてくれるがバラードもしっかり聴かせてくれる。女性の日常的な感情を時には今にも泣き崩れそうなほど儚く(「ひとでなし」「太陽」)、時には弱く優しい部分も見せたり(「サルの歌」、この歌が一番アルバムの中で好きです)、時には狂ったように叫びだす(「バニラ」「可愛い女」)、そうかと思えば底抜けに明るい曲(「1999年の缶コーラ」、「空になりたい」)もあったりとバラエティーに冨んでいて、女性の想い、強がり、そして弱さを独自の視点で描いたその歌詞、楽曲は素晴らしい感性の持ち主だと思う、その後の彼女の作品を全部聴いたが3rdに当たる本作が一番完成度が高い。橘いずみは表現者としてもうこの時点で殆ど完成してしまったのではないだろうか、このアルバムはまだ歌詞的には少々幼い部分が残ってるが、真っ直ぐな目で思いっきり頬を平手でひっぱたかれた衝撃が自分にはあった。表現者とはこんなにも自分の事を赤裸々に語り、魂を削るのかと。この時期(だったか?)あたり”女版尾崎豊”と称されていたようだが自分に言わせれば”女版井上陽水””平成版山崎ハコ””日本版スザンヌ・ベガ”と言った方が的確ではないだろうか。いや、やっぱりその存在は唯一無二だろう。
 戯れ言では有るが他に思い入れの強い曲があるのでそれも書きたい。「26−Dec.11th.1968」は最初に自分の嫌な所をあらい、次にそれを乗り越えようとする、その葛藤を淡々と歌う7〜8分にも及ぶ傑作である。一人暮らしを始めて部屋の孤独感に耐えきれなくなった時”真夜中に不意に目が〜”のフレーズで共感してタバコを吸い”明日から泣いたりなんてしなよ〜”でまた頑張れる気にさせてくれる良薬(?)です。橘いずみの中で一番大好きな歌だ。「Gold」は俗に言う”がんばれソング”なんだけど、本当に仕事で不安がある時、”やるだけたったら寝て待て!トコトン落ちたら上がってけ!”と非常に救われる曲です。「きまり」はシングルB面曲なんだけど、一人語り弾きで片想いを切々と歌う、自分にはあまり経験がないけど、聴いてて切なくなって胸に伝わってきます。どうしてアルバムに入れなかったんだろう。「平成」は聴いた時に橘いずみがどこか変わったと感じた、それは今まで「どうして?どうしてなの?ふざんけんじゃない!バカヤロー」的だったものが「自分はこうで今はこう思う」的なものに変わった、それは子供がいきなり大人に変わったようだった。”右だ左だとうるさく怒鳴られて、今度はお前が怒鳴る番だともっと..”のフレーズがいつまでも耳に残ってしまう。
他にあるがあんまり長く書くのもあれなんでこの辺で止めとく。最近作品を全くリリースしなくなった彼女だが、彼女の言葉のセンスは本当にすごいモノがあるので早く次作が聴きたいものだ。

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