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蒼い鳥(オフィシャルサイト)

 第92回インプレッション

 2004年下半期は俺の中で気になるアーティストは1人だけだった。「矢野 洵子」高知県の歌小屋から飛び出してきた新人は何となく気になる”うたうたい”であったが、何となく耳に残るそのメロディーはいつしか俺の中に染みていました・・・。
 個人的な主観になるがバイオリズムでR&R、パンクを聴き続けていると、たまに”静かな中にも動”といった音楽に心打ちぬかれる。一昨年は仕事が切羽詰ってる中、たまたま行ったライブで篠原美也子(彼女もピアノの弾き語りのアーティスト)の「ひとり」を聴いて電流が流れ、震え、号泣した。そして矢野洵子を知ったのも、たしか「目覚ましモーニング」だかでスタジオライブで観たのが初めてだ。聴いていて少しのすがすがしさと、少しの痛みを感じる性質の歌声が俺には好きで興味を持った(実はカラオケで歌うと声が潰れそうなハスキーボイスだったが)。その「てろてろ」は歌の情景がTVを観た時期が夏だったのも手伝ったかもしてないが浮かんできて、詩にやられたとじゃなくてその体から発する”歌声”のパワーにやられた。

 さて、そんなのでシングル二枚「てろてろ」「夕闇」を出して満を喫して出たデビューアルバムが『ナイルの一滴』。全体的にピアノが主体にあるので単調に聞こえるだろうが(人によってはすぐ飽きるだろう)、歌の中に時々ドキっとしたりハっとするような展開があったりする、とても簡単な言葉で出来た、重くて深いフレーズがそこら中にちりばめられてる。ジャズをベースにしたような曲調のものから昭和初期を思わせるようなモノまでバラエティーを伸ばそうとする意気込みが見えた。電子器機の入ってないアルバムは、例えて言うなら”自然の温もり”みたいなのを俺は感じられる。
 アルバム
には、シングルとしてリリースされた「てろてろ」「夕闇」のそれぞれのカップリング曲までもが収録されていて、いくばくか旨味がないと首をかしげてしまったが、それらがアルバムの”―この作品タイトルに準じて―”「一滴」としてしっかりと機能していて頷けました。このアルバムは曲の流れがとても心地好い。「ナイルの一滴」という作品のタイトルをコンセプトとして考えても、或いはアルバムの最後を飾るタイトル曲に向かって。
 1、2曲目は他でも語られてるので省略して3曲目「ゼンマイ仕掛け」は昔聴いたジャズっぽくてリズムが小気味いい。おもちゃの金魚が題材の歌なんて初めて聴いた(笑)しかし、おもちゃの人形を人に例えてたとしたらすごいな。「わかれ」は今年のLOFTで期待して行ったライブの1曲目で歌声とその世界に俺は震えた。純朴で綺麗でとても・・・切ない。
「ニーナ」は、ニーナという名の椅子にまつわる物語を歌った12分にも及ぶ長い曲なのですが、今まで椅子の周りで繰り広げられてきた色々な人生や椅子が辿ってきた旅の中の数々を絵本でも読んで聴かせるような「音」が、素敵です(結構、人気の高い曲だね)。「ひとさじ」は最初、聞いた時はジッタリジンのカバーかと思った(最近、井上陽水の「氷の世界」をカバーをシングルで出したが)。いや、こうして聞いてみると絶叫してない時の声の性質はどこか似てるな・・・。次の二曲はがらりと変わって明るいPOP曲調でこれもまた彼女の一面なんだな。「闇の現」はジャズに聴こえるけど、ジャズにしては歌詞が、あえて例えればかなり前の日本の幻想(恐怖)小説といった趣き(「闇の現/夢の写し絵/それは真実」とか)のかなり独特なもので、これもかなり新鮮に響きました。ブランキー・ジェット・シティにも音楽面で通じるものがある。ギターのアレンジがGOOD!!”見たいものだけ見ればいいさ!その変わり目を離すな!”ってところでドキっとする。「かなしみと呼ばれる人生の優しさよ」は人間のどうしようもない暗い部分・・・そこにしかない美しさを教えてくれたような気がする。子供のような残酷さと暖かい部分が同居したような感じ。「坊や」だけは他の人が作った曲だけど、俺が一番このアルバムの中で好きな曲。これも「てろてろ」「わかれ」のように情景が浮かんでくるが前曲よりは具体的に表現されてる。冬のBGMとしちゃ最高だ。そしてプロローグが「ナイルの一滴」インストメンタルで締められる。
 本当にいいアルバムだろ思う。ただ、残念だと思うが”JAPAN COUNTDOWN”等大きなイベントに出ても、メガヒットを飛ばす可能性は少ないなと思う。デビューしたては目新しいさから注目されても何年かしたら一部のマニアックな客層に支持されている姿しか目に浮かばない。でも、彼女には高知県の”歌小屋”という”帰る場所”がちゃんとあるから大丈夫だろう。聞いてる俺が良しと思えば盛り上がりも盛り下がりもあんまり関係ないんじゃないかなと・・・。
 確かに言えることは彼女の歌声は<魂>が伝達してくる。それだけでもすごい才能だと思う。悲しみと凛々しさ。それは矢野絢子の一つの美学なのかもしれないし、本来持ってる人間の本能かもしれない。実にこれからが見守れる歌い手が現れたんだな・・・。    

 

 

1.てろてろ
2.夕闇
3.ゼンマイ仕掛け
4.嘘つきの最期
5.わかれ
6.ニーナ
7.ひとさじ
8.レモンスライスほおばって
9.ソリダスター
10.闇の現
11.かなしみと呼ばれる人生の優しさよ
12.坊や
13.ナイルの一滴


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